モウさんのマネジメント エッセー(8




 日本人の心の美


数年前より「伊勢神宮に一度は参拝したい」という相方の望をかなえる機会を得た。博多駅から新幹線と在来線を乗り継いで、地元観光バスを利用してのプランを幾度か企画するも、コロナ感染の終息が不透明でいつになるか分からない。丁度新聞広告にK

社「紀伊半島大縦断グリーン車スペシャル3日間」が目に留まる。相方に見せたところ色よい反応も、熊野三山那智大社450石段が不安のタネ。担当者に問い合わせたところタクシー利用の提案を受けて正式に申し込む。

筆者は政府と民間の景気回復策の必要性に鑑み、旅行関連の補助金制度が復活すると確信。予想通り政府は景気回復を図るべく旅行業界からの強い要請もあり「Go to travel」の復活を決議した。申し込み後1週間過ぎて「当旅行企画は補助金の対象に該当します」という。3日間の旅は、紅葉真っ盛りの①世界遺産高野山・奥之院を皮切りに ②谷瀬の吊り橋 世界遺産熊野三山本宮大社に瀞峡めぐり 世界遺産熊野三山速玉大社 ⑤大門坂ミニウォーク 世界遺産熊野三山熊野那智大社 ⑦那智の滝 ⑧世界遺産鬼が城 ⑨赤福餅本家のおかげ横丁 最後に目的地の伊勢神宮外宮・内宮のハードスケジュールの旅を終える。バスガイドのベテラン女性野沢さんのご案内は名実ともに奥深い内容と笑い。筆者が熊野古道の石段を登りながら「古道の道幅はどれぐらいありますか?」に「歩いておられる幅ですよ()」と返ってきた。三間程の道幅です。トンネルの多い伊勢自動車道で退屈させない登場人物毎の朗読劇。最後には野沢さんご自身からの質問回答者へ、手作り妻楊枝入れやLEDを組み込んだかわいい玩具のプレゼントにみんな驚きと拍手喝采。ほぼ全員が配慮に預かる。すべてが手作りのうえ、それなりの費用と時間そして思い入れが伝わる。相方共に初めての真心のご厚意に感謝を述べたい

福岡からスタートし新大阪駅の発着地に到着。観光バス青空停車場の真向かいの新大阪駅南側コンコースに移動する時、男性添乗員の吉永様が旅行旗を掲げ先導する。先導中居酒屋風店舗前を通る時、進行方向から一個のスーパーバッグが店舗前に落ちている。すると吉永様が素早く拾って店頭棚に置く。体制を整えさらに歩くと同店舗前にまた風に煽られた一個のスーパーバッグが棚下に吹かれてきた。これに間髪入れることなく取り上げ、店頭棚に置く。店舗内・前とも開店照明は準備万端な様子。が店頭には店員はいずれも不在。午後17時過ぎのこと。このスーパーバッグ事件?ですが、団体を急ぎ足で先導している立場から、添乗員と団体はそのまま見て見ぬふりでも構わなかったかもしれない。がこの現象をみな目の当たりにした。放置ごみとせず取り上げ処理した行為は、親の「おしえ」ではなかったか。これが日本人として、世界に誇れる「日本人の心の美」だと思う。後世に良き伝統行為として引き継いで行きたい文化だ